脳の病気(脳卒中、クモ膜下出血など)や事故(頭部外傷)などにより、脳を損傷することで、「以前より忘れっぽくなった」、「集中できない」、「計画性がない」、「怒りっぽくなった」など今までに見られなかった症状が現れる事があります。これを高次脳機能障害といいます。
記憶障害、注意障害、遂行機能障害、行動と感情、失語症、失行症などの症状があり、見た目では障害が分かりにくく、周囲に理解されにくいという特性をもち、日常生活や社会生活に困難さが生じます。
適切な診断・治療により、新しい生活への適応につなげていきます。
注意障害
・気が散りやすく、ミスが多い
・1つの事に集中することが出来ず、時間がかかる
・いくつかのことを同時にしようとすると混乱する
記憶障害
・人の名前や物の置き場所が覚えられない、すぐに忘れてしまう
・少し前の出来事を忘れてしまう
・新しい出来事や仕事の手順などが覚えられない
・何度も繰り返し同じ話をしたり、質問したりする
遂行機能障害
・自分で計画を立てて実行することが出来ない
・細かく指示をしてもらわないと行動出来ない
・場当たり的な行動をする
・要領よく行なうことが出来ず、時間がかかる
社会的行動障害
・感情や欲求のコントロールが出来ない
・相手の立場や気持ちを思いやれなくなる(場の空気が読めない)
・性格が変わり、突然怒り出す(些細なことで怒りやすい)
・1つの事にこだわり、柔軟に対応できない
・意欲がなく、ぼんやりしていて自分からは行動出来ない
病識低下
・自分の障害の認識や受け入れが不十分で、障害がないかのように振る舞う
・自分のミスを指摘されても認めない
・失敗すると、他の人のせいにする