病院長 昆 博之よりご挨拶です。
この度令和5年4月1日付けをもちまして病院長に就任した昆博之でございます。15年間当地域のリハビリテーション医療を牽引された藤島一郎先生の後任をお引き受けすることとなり、責任の重さを実感しております。私はもともと脳神経外科医であり、手術を通して患者さんの「生命」と「魂」に向き合って参りました。リハビリテーション医療の現場はそれら両者を共に活かす大舞台と心得ております。そして目指すべき「患者さん中心の医療」は私どもが身体的、精神的、社会的に健やかでなければ実践することが出来ません。職員が常に心身共に健康でいられるようウェルビーイングの推進にも積極的に取り組んで参ります。どうぞよろしくお願い致します。
当院は平成20年4月に浜松市から聖隷福祉事業団へと運営が委託されました。開設に合わせ聖隷三方原病院から藤島一郎先生が病院長として着任し、当時44床にまで衰退した当院は現在の225床にまで増床を果たして静岡県西部回復期医療の中核病院に発展しています。特に嚥下障害のリハビリテーションでは国内でも有数の実績と規模を誇り、全国から多数の見学者を迎え入れております。
浜松地域は「浜松方式」と呼ばれる医師会・病院・救急隊・行政の協同による充実した救急医療体制が整備されていることで知られてきました。回復期医療は急性期医療と社会復帰あるいは介護・療養とを繋ぐハブ(地域連携拠点)であり、地域医療システムを制御する役割も期待されています。当院の特徴として「隣人愛」をかかげる聖隷が浜松市の設置する公的病院を運営している点が挙げられ、これまで培ってきた理念と経営手法を活かして公益性の高い事業に取り組んでおります。
回復期医療の中心は入院生活にあり、看護はその主役です。家で待つご家族の気持ちに思いを巡らせ、看護部一同やさしさとぬくもりを持って専門的知識に裏打ちされた根拠のある看護を提供しております。そして患った患者さんが当院から新たな一歩を踏み出し、未来に向かって行けるよう力強く支えます。
リハビリテーションの基本は人間の温かい手による施術であります。しかしながら近年この分野の科学的進歩は著しく、当院では亜急性期から積極的な歩行練習ができる最新鋭のリハビリテーション支援ロボットや電気刺激、磁気刺激を用いた各種促通機器あるいは最新型ドライビングシミュレーターなどを積極的に導入し、他では実践できない最先端のリハビリテーションに力を入れています。
看護部とリハビリテーション部はそれぞれの強みを活かし、協働による患者支援としてcare-rehabilitation hybridを入院生活場面で実践し、効率的に患者さんのADL能力向上に努めています。教育においては、若手スタッフの育成に中堅スタッフが積極的に関わることで互いを刺激し合い、切磋琢磨しながら成長できる充実した環境を整え、研修活動も盛んです。
このような恵まれた環境の中で職員全員が常に挑戦者たる気概を持ち、「患者さんの幸せ」を希求し、より良い未来を目指して前進して行きたいと思っております。
浜松市リハビリテーション病院
病院長 昆 博之